「温度計」は誰が発明したかご存じですか?
温度計は1603年にガリレオ・ガリレイにより温度計が発明されました。この温度計の発明により、温度とエネルギーの関係が明確化されたことで、結果として技術革新が進み、その後「産業革命」を経て現代社会の礎となりました。そう考えると、実はこの「温度計」という「ものさし」はどのくらいのその後の人類、地球にとってインパクトがあったのか?想像に難しくはありません。(現在の地球温暖化を考えると不幸なことかもしれませんが)
我々住宅業界とりわけ日本の住宅業界は先進国から見ても明らかに遅れをとっています。自動車、電機関連、ゲームアニメ関連と日本は諸外国に比べても輸出し世界でも堂々と渡り合える業界を幾つも抱える工業化においても、技術、技能においても堂々と渡り合える民族だと思います。 しかし、こと住宅業界においては残念な結果です。
日本において「家の燃費は?」と質問をすると「電気代が幾らで、ガス代がいくら・・・」というような燃費ではなく燃料費が幾らかというアバウトな回答しか返ってきません。「この家は床面積1㎡あたり、1年間で50kwのエネルギーを消費する。」ということが明示できません。ですから「次世代省エネ基準」「高気密高断熱」「外断熱工法」「ハイブリッド工法」など書き出せばきりがないくらい文言は素晴らしいのですが「家の燃費がどのくらい?」という誰でも理解できる「ものさし」が無いのが、日本の住宅が諸外国と比較してに大きく遅れをとっている最大の理由ではないでしょうか。
ガリレオ・ガリレイが発明した「温度計」。この「ものさし」により産業革命が起きたように、日本における住宅性能、住宅革命も「エネルギーパス」という「ものさし」でEUやアメリカ等に負けない、技術革新が必ずおきます。
是非、皆さんとともにこの「ものさし」を普及させ、地球の将来のため、未来の子供達のため、地球上の全生命、生物の幸せのために「自給自足が出来るゼロミッション住宅」、もしくは更に発展させ、「他の方に貢献できるプラスエネルギーハウス」が日本でもヨーロッパのように普通に建築ができる社会が1日も早く到来することを期待しています。
エネルギーパス協会代表理事。不動産仲介業を行う中で、築年数で価値が決まってしまう日本の建物評価制度に疑問を持ち、世界基準のサスティナブル建築・省エネ住宅をつくるために、2011年から「低燃費住宅」を全国展開。国土交通省不動産流通活性化フォーラム、住宅のエネルギー表示の在り方の研究会委員、日独国土交通省共同プロジェクト委員、長野県環境審議会地球温暖化対策専門員などを歴任。