「概要表示」(1/6枚目)
エネルギーパスの出力結果(6枚)の解説をいたします。今回は6枚中1枚目の概要ページの解説です。1枚目では建物の概要や必要エネルギー、そして導入されている設備の名称と導入日時などが表示されています。
●評価住宅の概要
評価対象となる住宅の所在地や気候条件、太陽光発電システムの有無などの評価条件が示されています。
●必要エネルギー
中央にあるエネルギーバーは、必要エネルギー平成25年改正省エネ法の対象となる「冷房」「暖房」「換気」「給湯」「照明」の5つの「必要エネルギー量」を表示しています。
「必要エネルギー」とは、この住宅で室温を冬期20℃、夏期27℃以下、一定の給湯を使用するなどの、所定の生活を一年間過ごした時に「冷房」「暖房」「換気」「給湯」「照明」の5つの設備機器を使用するのに必要となるエネルギー量のことです。
例えば、暖房の必要エネルギーが年間8,566kWhであるサンプル住宅の場合、冬期に室温を20度に保つためには、一年間に8,566kWhの熱需要が発生することになります。この8,566kWhの熱をどのように供給するかは問いません。(エアコンで供給しようが、温水床暖房で供給しようが、8,566kWhの熱さえ供給できれば何でもいいわけです。)
つまり、「必要エネルギー」には、給湯器や太陽光発電システムなどのアクティブな設備効率は含まれないため、断熱性能や日射コントロール性能などのパッシブな省エネルギー性能(建物自体のもつ省エネ性能)の重要指標となります。
この住宅自体の省エネルギー性能を示す値であり、数値が少ないほどに高性能であり、高い居住快適性や健康性能、ひいては高い資産価値を持っていることになります。
●必要・最終・CO2の年間量グラフ
下段左にある3つの縦棒グラフは、エネルギーパス全体を通してあらわされる3つの指標を示しています。
左の「必要エネルギー」は冷房、暖房、換気、給湯、照明の5つのエネルギー需要です。
真ん中の「最終消費エネルギー」は設備機器の効率を考慮した後の最終的に消費されるエネルギー量(家電および調理器具が追加されます)であり、最終消費エネルギーに光熱費単価を掛けることで年間の光熱費を予測できます。
右の「CO2排出量」は最終消費エネルギーを使用した場合に、どのぐらいのCO2排出量となるかを示しており、電気やガス、灯油などと、どのエネルギー資源を使うかによりCO2の排出量は変化します。
また、下段右下の表は、冷房、暖房などでどのような設備機器を採用しているかを示しており、設置年月を表示することで、耐用年数を考慮して設備機器の残存価値を類推することが出来ます。
(設備機器は住宅と比較して耐用年数が大きく異なるため、不動産価値を判断するためには、建物自体とは切り離して耐用年数に応じて別評価とする必要があります。)