「間欠空調における最終消費エネルギー」(5枚目)
●最終消費エネルギーとは?
「最終消費エネルギー」とは、住宅自体のエネルギー需要である必要エネルギーを、導入予定、もしくは導入済みの給湯器やエアコン、太陽光発電システムなどの設備機器にて供給した場合の、電気やガス、灯油などの形で消費するエネルギー量。
最終エネルギーはエネルギー効率の高い設備機器を使用すれば「必要エネルギー」よりも小さく、反対にエネルギー効率の低い設備機器の場合は「必要エネルギー」よりも大きくなる。この「最終消費エネルギー」からは実際に支払うであろう光熱費を理論値で算出され、消費者にとってのランニングコストを評価するための経済的指標となる数値です。
●間欠空調時の最終消費エネルギー
5枚目は間欠空調(人が居る時の部屋のみをする空調方式)時の「最終消費エネルギー」を表すページです。
日本においては現状では大半の住宅が間欠空調を採用しているため、間欠空調の評価の出来ない燃費計算ツールはほぼ冷暖房を必要としない無暖房住宅レベルの超々高性能住宅以外では活用しにくいという課題がありました。そこで、エネルギーパスではISO13790の間欠空調計算ロジックを採用することで、間欠空調にも対応しています。
横棒グラフ8は上段が評価対象住宅の値、下段は同間取りにおける次世代省エネルギー基準仕様の値となります。
※1
グラフ8及び表6では平成25年改正省エネ法と同様に太陽光発電による売電分は評価対象外としています。
※2
次世代省エネルギー基準の冷暖房器具はダクト式セントラル空調機(定格COP:暖房3.76、冷房3.17)で評価しています。
●平成25年改正省エネ法に基づき設備効率を評価
最終消費エネルギーを評価するためには、断熱気密などの外皮性能だけではなく、設備効率を設定する必要があります。
一般的に、エアコンや給湯器などの熱を発生させる設備機器は、外気温や湿度、使用時の設備負荷率などの様々な環境要素に応じて効率が変化するため、カタログに表示されている定格効率と実際の使用時のエネルギー効率が大きく異なります。
そこで、燃費計算時には、カタログ表記された定格効率に、実使用効率に変化させるための「エネルギー効率補正係数」をかけて計算なければなりません。
エネルギーパスでは、平成25年改正省エネ法の計算式を採用しているため、より正確かつ公平なな燃費計算が可能です。
●太陽光発電による売電を含んだ光熱費予測
縦棒グラフ13は、太陽光発電システムによる売電額を考慮した光熱費を月毎かつ冷暖房などの用途毎に分けて表示しています。このグラフによって、どの何月にどの用途に光熱費がかかっているのかが分かり易くなります。
発電と同時に使用される自家消費額、および売電額はマイナス側に表示しており、買電と売電、ガスや灯油などの合わせた差引後の光熱費を赤線グラフで表しています。
表11には電気、ガス、灯油、木材などの最終的に使用する時の単位ごとの消費量に燃料単価をかけることで、資源ごとの予測光熱費を表しています。
なお、電気料金に関しては単価を指定しない場合には、10大電力会社を選択するだけで、インターネットから最新の燃料調整費等を参照し、従量電灯契約において計算された単価(基本料金含む)を計算します。