第3回目は愛知県(株)シンホリの近藤祐一さんの元へ。
今回はRC集合住宅改修の案件です。
(株)シンホリさんが手がけるリノベーションブランドin the RE:LIFEでは“木とエネルギーをデザインするリノベーションパッケージ”と
あるように、物件すべてにエネルギーパス発行をしています。つまり、加盟する会社はエネパス発行が義務付けという素晴らしい理念のブランドです^^
そして、同ブランドに加盟している興和ライフサービス(株)さんの冨田社長はエネルギーエージェントでもあり、
手がけたRCリノベを近藤さんに解説いただきました。
5階建てのRCの5階の真ん中の住戸を改修。
改修内容はインナーサッシ5カ所(トータルU値1.9W/㎡K)、室内壁フェノールフォーム25mm、天井ウレタン吹付100mmというものですが
そのBefore/Aftereはもちろんのこと、いくつか別の仮定でも作成もしていただきました。
①Before/インナーのみ
流石にBeforeデータはメーター振り切ってますね^^;
インナーを入れただけでも70kwh/㎡の削減
無暖房室温も9℃⇒9.6℃へと。
全館連続の光熱費も10万円近く削減となりました。
ここで驚き!
なんと、部分間欠で冷暖房をかけたほうが全館よりも30万円近く上がっています。
これはRCコンクリートの蓄熱特性があるのではないでしょうか。付けたり消したりが逆効果ということなのでしょうね。
実際はこんなに光熱費はかかっていないと思いますが、その分、寒くて暑い健康には良くない環境で暮らしていたのだろうと想像します。
次には壁付加断熱だけと壁+天井100mmでどれくらい効果が違うかを検証。
②壁25/+天井100
これはバッチリとで結果が分かれました。
やはり天井100mm面積にして100㎡近くの断熱強化は素晴らしい効果です。
熱損失部位が当然ながら屋根大幅改善!
冷房負荷も20%⇒12%へと大幅改善。
全館の光熱費もスゴイ差が出ました。
部分間欠では天井を吹いた時点で全館より安く出ましたね。
どうやら天井断熱強化がスゴイということが分かったので、更に強化。
今度は200mmに強化してBeforeとのギャップを見ました。
③Before/+天井200
ま、当然なんですが約4割近い必要エネルギー削減に!
Q値はウソみたいな改善数字になりましたね。
日射取得量も数字が全然違ってます。
全館光熱費も約半額!
部分間欠は当たり前ですが最大ギャップとなりました。
RC集合住宅の場合、インナーサッシはもちろんのこと、天井(屋根)断熱強化まではマストにすべきですね。
ここまではっきりくっきり効果が出ているわけですから、お施主様への説得も比較的簡単になるのではないでしょうか。
逆を言えば、天井断熱をしないRC改修はプロの仕事では無い!とも言い切れそうです。
エネルギーパスをうまく使ってこの辺のところは根拠を持ってアピールしたいですね。
今回も貴重な資料をいただいた近藤祐一さん有難うございました!